2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧
う 「もういいかい」畑の大根首浮かせ 千田百里 ■大根(冬) 葉っぱのすぐ下の部分が緑色をした大根を見たことあ りますか? この大根の緑の部分は、土からとび出して 育ちます。もうしゅうかくしませんか? もう食べごろ ですよ、と言ってるみたいです。
せ なか じゅうでん ひ なた 背中より少し充 電 日向ぼこ 七田文子 ■日向ぼこ(冬) もう寒くって、寒くって。それをがまんしていると、 体中のエネルギーがすっからかんに。風の当たらない日 向でちょっとだけ休けいしましょう。エネルギーが体に ぐんぐん…
みが まど 磨きたる窓に冬日をあふれさす 高橋和枝 ■冬日(冬) 2m四方の大きなまどが1つあると、入ってくる太陽 の光のあたたかさはコタツ1台分と言います。ガラスが くもっていたらだいなしだから、キュッキュキュッキュ とまどをきれいにしていきまし…
かこえ はつごおり 両の手で息を囲へり初 氷 望月晴美 ■初氷(11月ごろ) 冬が来たって感じるのはどんなとき? 息の白さ? ポケットにつっこむ手? 初霜? 初氷? 気温が0度 近くになると、霜や氷ができます。早く早く、手ぶくろ しないとしもやけができ…
い 初雪のすぐに終つてしまひけり 辻 美奈子 ■初雪(11月ごろ) あっ、と思ったらすぐ止んで、気のせいだったかと思 うほどです。雪がふるようになっても、初めのうちはま だ気温が高くて、すぐとけてしまいます。とけずにつも るのは、まだもう少し先のこ…
うすげしょう 薄化粧してこれからは冬の富士 くらたけん ■冬(冬) 富士山の初雪です。高さが3776㍍もある富士山に 雪がないのは、だいたい6月半ば~9月半ばの約3か月 だけだそうです。ふつう雪は冬。だったら、富士山の冬 は1年のうち9か月もある…
こ じ すきま 抉ぢ開ける力を持ちて隙間風 池田 崇 ■隙間風(冬) 窓なんだか、ドアなんだか、しっかりしめたつもりな のにどこかから冷たい空気がしのびこみます。まるで自 分で窓やドアをこじ開けているみたいです。ひょっとし たら、寒くてしかたなかった…
こがらし ふ き げん よ 木枯の不機嫌なだめやうもなし 吉武千束 ■木枯(11月ごろ) 冬の北風が、木の葉を散らしてしまうのでついた名前 が木枯らしですが、一度ふき始めると、1日、2日、3 日、何日もふきつづけて、いつ止むのかもわかりません。 すぐ…
よ 北風が北風を呼ぶかくれんぼ 松本圭司 ■北風(冬) オニに見つからないようかくれてじっとしていると、 聞こえるのは北風の音だけです。何だか北風とかくれん ぼをしているような気がしてきます。子どもは風の子っ て、そういうことかも知れません。
ひ おび くれ 高速道灯の帯となり暮早し 高橋和枝 ■暮早し(冬) 冬になると、学校が終わって運動場で遊ぼうとしても、 すぐに日が暮れてしまいます。おとなの人だって、あた りが暗くなると早く帰らないとと思うのでしょうか? 車が道路にあふれてきていま…
こ はるび ろ 小春日やどの角曲り帰らうか 辻 直美 ■小春日(11月ごろ) こごえるように寒い日は、学校から家まで一直線で帰 りますが、春みたいにあたたかな日はよゆうです。より 道したい所がたくさん思いうかんで、どの道を通って帰 ろうか、なかなか決…
ひ がた は おと 冬あたたか干潟に百の羽音して 工藤 進 ■冬あたたか(冬) 冬といってもちっとも寒くない日。潮(しお)が引い て遠くまで歩いて行けそうな干潟に、たくさんの鳥が集 まります。魚や貝、カニやエビなんかのごちそうでいっ ぱいの、鳥たちの…
冬用意まだかと風の戸をたたく 上田玲子 ■冬用意(10月ごろ) 冬支度(じたく)とも言います。冬服はもう出しまし たか? ストーブとかじゅんびできてますか? まだ夏 のカーテンのままじゃないですか? せかすみたいに、 もうつめたい北風がふき始めまし…
でんしょく よ つ りんご 電 飾のやうに実を付け林檎の木 金子孝子 ■林檎(10月ごろ) 4~5月に花であふれた木に、8~11月ごろいろん な色の電球をかざりつけたイルミネーションみたいに、 緑や黄の、赤の実が実ります。色がよくなるよう、実を つつ…
がんぜん ゆ ず お かき 空は青眼前に柚子をちに柿 林 翔 ■柚子・柿(10月ごろ) 目の前のたくさんのユズの実はいつの間にか緑の色を なくして、きれいな黄色に色づきました。遠くではたく さんの柿の実がいい色に燃えています。空は、ため息が でるような…